ニュース
古米もおいしく炊ける? タイガー炊飯器の「低温吸水」とは
2025年6月13日 15:00
タイガー魔法瓶が6月21日に発売する炊飯器「土鍋ご泡火(ほうび)炊き」シリーズの最上位モデル「JRX-S100」(5.5合)と「JRX-S060」(3.5合)。本物の土鍋を使っているのが大きな特徴の同シリーズだが、新たに水分量が少ない古米もおいしく炊けるという「極・低温吸水メニュー」を搭載。
さらに、冷めてもふっくらほどけるごはんに仕上げる「おにぎりメニュー」も採用し、ごはんをよりおいしく食べられる炊飯器へと進化させた。価格はオープンで、直販価格は5.5合炊きが159,500円、3.5合炊きが154,000円。
低温でじっくり浸水、高温で一気に加熱して甘みアップ
土鍋ご泡火炊きシリーズのフラッグシップモデルではこれまで、土鍋に遠赤効果の高い釉薬や蓄熱効果の高い発熱体の採用、底面に搭載した二層構造の「300℃ WレイヤーIH」などで火力を進化させてきた。
新製品ではセンシング機能を強化させることで、WレイヤーIHをより緻密にコントロール。従来比約1.8倍の温度検知精度で、お米と水の状態を正確に読み取りながら、絶妙な火加減のコントロールを行なう。
新搭載の「極・低温吸水メニュー」は、洗米後に水加減を行ない、お米と水を保存容器に移し替え、6時間ほど冷蔵庫で保管した後に炊飯。こうすることで、低温から一気に高火力で炊き上げる“プロの炊き方”を再現できる。同社によると、新製品で最もおいしく炊けるメニューとのことだ。
吸水工程は冷蔵庫で行なうため、実際の炊飯時間は30分程度。冷蔵庫に入れるひと手間はかかるが、スイッチを入れてから炊き上がりまでの時間は早炊きモードとそう変わらない。
一気に加熱することで、お米の表面が荒れやすい温度帯を素早く通過するため、表面のハリを保ったまま食感よく炊き上げることができる。さらに、同メニューでは通常炊飯と比べてごはんの甘みが約26%アップするという。
「極・低温吸水メニュー」では古米もおいしく炊けるとのこと。水分量が少なく、粘り気も少ないものが多い古米をじっくり吸水させることで、甘みと粘りを引き出せるのだそうだ。
実際に通常炊飯と極・低温吸水メニューで炊いたごはんを食べ比べてみたところ、最初に食べた通常のごはんもフラッグシップだけあって十分おいしく感じたが、極・低温吸水メニューで炊いたものを食べると、よりごはんの味が濃く、旨みや甘みを感じられた。
冷めてもおいしい「おにぎりメニュー」はお弁当にも
同じく新搭載の「おにぎりメニュー」は吸水時間を長めに設定し、冷めてもふっくらほどけるようなごはんに仕上げるもの。これにより、もっちり感は約14%、歯ごたえは約4%アップするそうだ。
5つ星お米マイスターの澁谷梨絵さんによると、昔はお米を買いに来た人に、お弁当やおにぎりなどで持ち歩くのであればミルキークイーンなどのもちもちした食感の品種をおすすめしていたという。しかし、もちもちしたごはんは時間が経てば硬くなってしまうことがある。
一方で「おにぎりメニュー」で炊いたごはんは、外はしっかりした食感で粒立ちがよく、中はふわっと炊けており、「時間が経った方がおいしい」とのこと。「おにぎりにしておいしいということは、お弁当でもおいしいということ。お弁当にもおすすめです」とコメントしている。
炊飯器の出荷台数減少も、金額はアップ
政府備蓄米などに関連する報道で、国内のお米の消費量が年々減少していると耳にした人もいるだろう。近年はお米の消費量に伴って、炊飯器の出荷台数も減少傾向にある。
一方で高級炊飯器の需要が高く、平均単価は上昇、出荷金額はアップしている。日本電機工業会が発表した2024年度の出荷台数構成比は、5万円以上の製品が34.5%となった。また、少人数世帯の増加などによる小容量モデルの伸長も、近年の炊飯器市場の特徴となっている。
発表会にはイメージキャラクターに就任した俳優の松坂桃李さんが登壇。CM撮影では何度もごはんを食べるシーンを繰り返すため、スタッフから「無理はしないでくださいね」と言われていたが、新製品で炊いたごはんがおいしくて食べる手が止まらなかったという。
松坂さんは自身が選んだ“究極のごはんのお供”、明太子とごはんを試食。おいしさに唸りながら、「カメラの前で食べると味がわからなくなってしまうかと思ったんですけど、おいしさがちゃんと上回ってくれました」とコメントした。