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男らしさとは? 50代半ばから始める光美容器のムダ毛ケア

家電 Watchの書き手の皆さんと編集部が「よかった」と思えたものやサービスなどを、ゆるめに紹介するコーナーです。日々のちょっとした気づきなども共有します
50代半ばにして初めての脱毛器体験。サングラスはカッコつけではなく、光から目を保護するためです

「うーん、マンダム!」このフレーズで男性化粧品の世界を切り拓いたマンダムのテレビCMが流されていたのは、1970年前後。リアルタイムで見ていた人は、おそらく50代半ば以上でしょう。男の中の男として知られた俳優、チャールズ・ブロンソンが馬にまたがり荒野を駆け抜け、ナレーションが「男らしさとは」「男くささとは」と問いかける。子供心に、「これが真の男か、僕には無理そうだな……」と思っておりました。

あれから半世紀以上が過ぎ、マンダムの男性向け美容家電ブランド「ium(イウム)」から光美容器「スピードショット IUM-SS-K」が発売されました。「男くささとは」と問いかければ、「くさいのはダメでしょ」と即答される今の時代、男性もムダ毛ケアは当たり前。我が家の長男(大学生)も、顔に美容液を塗るなど、美容に余念がありません。そこで、トリマーによるムダ毛ケアをしていた私も、根本的に毛の量を減少させるべく、イウム・スピードショットを使ってみることにしました。

マンダム「スピードショット IUM-SS-K」。価格は39,600円です
VIOアタッチメント、取扱説明書、カラースキンチャート、ACアダプター、サングラスが付属します

とはいえ、もう歳も歳なんで、モテを目的にはしていません。しかし、トリミングではなく、毛量自体を減らすメリットもあります。そのひとつが、顔のヒゲ。加齢でヒゲの太さや密度が変化し、若いときのようにキレイに剃れなくなってきた(年齢が高くなるほどシェーバーも高いモデルに買い替えをおすすめしている理由でもあります)。念入りにシェービングするのも肌に悪そうですし、光美容器でヒゲを薄くできれば、毎日のシェービングも楽になるのではと考えました。

女性向けが大半の光美容器ですが、イウム・スピードショットは男性向けらしく、ブラックで角張ったデザインをしており、野球の球速を測るスピードガンのようなフォルムです。

使用時は、まずモードを選択。照射する部位によって、「BODY(肌)」「FACE(顔)」「VIO」から選択、照射のパターンを「M(単発照射)」と「AUTO(連続照射)」から、照射レベルを6段階から選びます。

「照射面」とその周囲にある「サファイヤ冷却プレート」
吸気口。使用中や使用後(約30秒間)は冷却のためにファンが作動します

あらかじめ除毛しておいた肌に照射部を当ててボタンを押すと、カメラのストロボのように光が放たれます。初めての使用はレベル1に設定し、テスト的に照射して、肌に異常が出ないかを確認してから、本格的に使用するという流れです。同じ部位に何度も照射することはNGなので、慣れないうちは単発照射でやったほうが無難ですが、慣れれば連続照射のほうがスピーディーに処理が終わるでしょう。

VIOのムダ毛ケアに使用したい人も少なくないと思いますが、イウム・スピードショットでは、男性器と肛門は使用禁止とされています。Iゾーンと肛門の周囲は使用可能ですが、直接目視ができず、手も届きづらいので、なかなか難易度は高いですね。慣れればうまくできるのかもしれませんが、お願いできる関係の人がいるなら、その人にやってもらうのが良いでしょう。

「VIOアタッチメント」。照射面に取り付けると、自動的にVIOモードに変更します

ちなみに、唇や目の周囲、乳首・乳輪、へそ、のどといった部位や、ホクロやシミ、そばかす、あざなど、使用できない場所はかなり多いので、あらかじめ確認しておいてください。

付属のカラースキンチャートで、使用できる照射レベルを確認しましょう。肌の色が薄くなるほど、強い照射レベルまで使用可能です

そして、未経験者として気になっていた痛みですが、レベル1では(痛みを感じやすいとされる)顔や胸でも、大した痛みではありません。よく使われる表現ですが、輪ゴムで軽く弾かれているレベルの痛みです。もちろん、これは個人差があるでしょう。ただ、レベルを上げていくのは、正直ちょっと怖かったりします。男性より女性の方が痛みに強いと言われますが、取扱説明書にも、顔と胸は女性よりも男性の方が痛みを感じやすいとあります。

足(脚)は比較的痛みを感じにくいので、ここから始めるのが良いと思います

「男らしさとは」と昭和的に考えれば、レベルを上げて痛みに耐えるべきとされそうですが、それより無理をせず習慣化(最初の2カ月は週に1回、3カ月以上は4~8週間に1回/ヒゲは3日に1回)することの方が重要でしょう。そのためには、洗面台や寝室など、目に付きやすい場所に本体を置いておくのが良さそうです。チャールズ・ブロンソンも今の時代に生まれ変わっていたら、コツコツ脱毛しているのではないでしょうか。

小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>